1.カゼ





 悪戯な春風に飛ばされて、白い何かが宙を舞った。そしてひらりひらりと地面に舞い落ちる。

 デューラは爪先に落ちたそれを何気なく拾い上げて。
「…下着かよ!」
 盛大に眉を顰めた。

 腹立ち紛れに投げ捨てようとした瞬間、背後からかけられたのは聞きなれた少年の声。

「あの…今、洗濯物が飛ばされちゃったんですけど…見ませんでしたか?」

 途端思いつく悪巧みにニヤリと笑い、右手を背中の後ろに隠す。

「…さぁ?知らんな」
「そうですか…」

 目を眇めてガイズは明らかに『背中に何か隠してます』、なデューラを見遣った。

 が、追求することも無くそのまま彼に背を向け、ふと独り言。


「どーこに行っちゃったのかなぁ…エバのパンツ」
「…ってこれ、エバのかよ!?何でお前が洗ってんだ!」
「…やっぱり持ってたのアンタか…」
「あ」








ということで今回は、策士ガイズの一本勝ち。








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