8.正直に言ってごらん?






疲れきって床に体を投げ出すガイズの傍らに、デューラは膝をついた。


「…大分慣れてきたじゃないか」
「んなわけ…ね…」

 未だ息を弾ませたままのガイズの喉の下を、擽るように撫でてやる。
「前は終わった後にそんな減らず口なんて、叩けなかっただろう?」
 『気を失っちまって、な…』と耳元に囁かれる低い声はそれだけで愛撫のようで。

「だま…れ…」
 気だるい腕で煩わしげに振り払うが、デューラは気を悪くした様子も無くただくつくつと笑うだけだった。

「あんなに泣いて、俺に縋り付いて…」
 まるで俺に惚れてるみたいだったぞ?と囁く声にガイズはかぶりを振る。

「違う…あれは痛かったから…だから…っ」
「素直に言ってみろ…ガイズ。俺が、好きなんだろう?」
「『素直に』も何も…違うっての…!」
 必死に否定するガイズに、きり。と少しだけデューラの眉が吊り上がる。

「…いーや、絶対そろそろ俺にほだされてきてもいい頃だ!」
「何の根拠をもってそれを主張してんだよ…!」
 ムキになってきたデューラにつられて、ガイズの声も大きくなる。

「好きなら好きとはっきり言ったらどうだ!?自分がペットだからといって遠慮する事は無いぞ?」
「遠慮なんか…してねぇっての…っ!」
「別に正直に言ってくれたところで…俺は全然構わないんだぞ?」
「だから…違うって…言って…!」
「安心しろ。此方の受け入れる準備は万全だ」
「何に『安心しろ』なんだよ…何も安心出来ねぇよ…!」
「…と言うか…言ってもらえると俺としてはほんの少しかなり嬉しいかなー、と言うか何と言うか…」

 もごもごもご。


「…強気なんだか弱気なんだかはっきりしろよお前…」
















好きなら好きと、はっきり言って欲しい。
そして嫌いなら嫌いと、やんわり言って欲しい。

…主任2X歳。傷つきやすいお年頃。














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