と・き・め・きカリスマ☆ハート 本文サンプル






 ピピピ…とカーテンで締め切られた静かな室内に、小鳥の鳴き声のような小さな電子音が響く。

「ん……」

 部屋にしつらえられたベッドの中でくるりとイモ虫さんのようにシーツに包まっていた部屋の主は、穏やかな眠りを破る無粋な音に微かに眉を潜めて身じろいだ。

(も…うる…さいぃ……)
 
 白魚の如く白く細いお手々が、シーツの隙間からするすると現れる。その手は、未だうるさく電子音を響かせる目覚まし時計へと伸ばされ――ずに、代わりに傍らに置かれた大ぶりの日本刀をはっしと掴み締めた。そして。

「――はっ!!」

 迷いの無い太刀筋で、刃が一瞬閃く。その直後、部屋に響き笑っていた電子音は嘘のようにぴたりと止まった。
 再び静寂を取り戻した室内に、満足げにむにゅむにゅと何やら寝言を呟きながら、部屋の主は日本刀を放り捨てて再び惰眠を貪り始めた。
――傍らに、無残にも真っ二つに切断された目覚まし時計の遺骸を残して。

 …それから、約一時間後。

「……………?」

 気の済むまでぬくぬくとお布団の温かさを堪能していた身体は、カーテンの隙間から差し込む光に促されて、漸くゆるゆると目覚め始めた。
マッチ棒の5本や6本くらいかーるく乗っかりそうに長い睫が、朝の光に眩しげにふるふると揺れる。
次いで緩やかに開かれた瞳の色は、あたかもイチゴかウサギさんのように鮮やかなチェリーレッド。
 その視線は暫し寝起きのままにぽやん、と中空に向けられていたが――はっと我に返って瞬き一つ。慌てて、ベッドサイドの目覚ましを振り返る。

(うそ…!寝過ごしちゃったの!?)

 目線を向けた先には、真っ二つに破壊されて最早物言わぬ鉄塊と化した哀れな目覚まし時計が一つ。そして、その傍らにごろりと転がるは抜き身の愛刀。
 状況証拠がはっきりと指し示している今朝の己の所業に、彼はショックを隠しきれない様子で口元を手で覆った。

(やだ、いっけなぁい☆シキってばドジっ子!また目覚まし時計をご臨終させちゃった☆)

 軽く握った拳でシキはコツン、と己の頭を小突く。














…と、おおよそ頭からケツまでずっとカリスマはこんな感じです。
頭痛くなりました?…私は、書いてる間中頭痛が収まりませんでした。










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