抱き枕の効用







  近年、不眠症や、睡眠が浅い、すぐ目が覚めてしまう、眠っても疲れが取れないなど、「睡眠障害」で悩んでいる方が急増しています。
  これら睡眠障害の多くが、精神的要因によるものと考えられています。
 この精神的要因を取り除く手段として、抱き枕が注目を集めています。
 この抱き枕を使用すると、眠っている間も身体の向きが安定し、体圧が分散されます。
 そして背骨や腰への負担も軽くなります。
 また枕を抱きしめることで精神的な安心感も得られます。
 




「…と、言うことだ」
 ぱたん、と手元の本を閉じるとデューラは此方に目を向けた。
「よって今年のクリスマスには枕を希望していてな」
「…そうですか」

 お前に『精神的要因により生じる睡眠障害』なんてあるのかと。

 突っ込みたいのはやまやまなれどそんな恐ろしい事も出来ず、ガイズは従順に頷く。

「…で、あの…ちょっと聞きたいんですけど…」
「何だ?」
「その話とこの目の前の料理と…一体何の関係が…」
 眼前のテーブル一杯には一面に、ずらっと豪華な料理が並んでいる。
「ああ」
 事も無げにデューラは頷いた。


「抱き枕はもう少し柔らかい方がいいって話だ」


「……はい?」
「…分からなければいい。それより、食わないのか?」
 ほら食え。さっさと食え。わしわし食え。としつこく促されて、首を傾げつつもガイズはフォークを手に取った。言われるがままに料理を食べ始めたガイズにデューラは満足そうにワインを傾ける。





 お気に入りの抱き枕が手に入ったのはいいけれど。

(矢張り『枕』は…もう少し柔らかいほうがいいからな…)
 ガイズの骨の浮いた胸元や腰の辺りに目を向けてデューラは唇を吊り上げる。


(…何か…今激しくイヤな予感が…!)
 不穏な気配に、ガイズは鶏肉を口に含んだままゾクリと背筋を粟立たせた。








END













…何だか『太らせてから食う』って感じ。

漸く手に入った抱き枕は主任の大のお気に入りなのですが、
所によりゴツゴツ骨が当たって痛いのが不満。
やっぱり枕はもうちょっとふくふくな方が嬉しいなー、と思っている主任なのでした。








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