「あ」

 そのショーウィンドウに目を向けたのは、ちょっとした偶然からだった。
 確かにルスカへのプレゼントを探してはいたけれど、まさかこんな店を探そうと思っていたわけではない。
 でも、硝子を一枚挟んだ向こう側からこちらを見ている真っ黒な瞳に捕まって。

 …抗えなく、なってしまった。







 rag doll







「いらっしゃいませ」
 妙に愛想のいい店員がこちらに笑顔を振り撒く。10月のハロウィンと12月のクリスマスと。二つの行事の丁度間に当たる今の時期は、こう言った店は暇になるのだろう。
 こまごまと物が置かれた狭い店内を、物を倒さないよう気を配りつつ足を進める。色とりどりに塗り分けられた木馬や木目の柔らかな光沢が美しい積み木。硝子ケースの中には、ピンクのモヘアのテディ・ベア。
 こういったもので遊ばなくなってもう久しい。だがこの年になっても色鮮やかなおもちゃの数々は、見ているだけでガイズを楽しませた。

「…お客様は、何かお探しで?」
「え、あ…」
 随分長いこと店内を見渡していた所為だろう。カウンターに立っていた店員が慇懃な態度で声を掛けてきた。
「クリスマス…には早いでしょうし…誕生日か何かで?」
「あ、そうです!」
 勢い込んで応えると、店員は表情を和らげてああ、そうですかと微笑んだ。
「どなたに、でしょうか?ご兄弟?それとも、もしかしてお友達かな?」
「え…っと…」
 ニコニコしながら尋ねられて、思わずルスカの顔と共に『コイビト』という言葉が頭にぽん、と浮かんだ。自然顔が真赤になる。
 その様に大体の事情は察したのだろう。店員は訳知り顔で頷いたものの、あえてガイズを追及しようとはしなかった。
「…何か…『こういったもの』というご希望などはありますか?」
「あの…表のショーウィンドウの…」
 そう言って何気ない風に指差すのには、結構な努力を要した。
 小柄はいえもう17になる男の自分が、プレゼント用とは言え、『ああいったもの』を買おうとするのは、どうにも恥ずかしい。
(ルスカの奴…どんな顔してアレ買ったんだろ…)
 半年ほど前のガイズの誕生日に、大きな包みを抱えて嬉々として帰ってきたルスカの姿をふと思い出す。
(やっぱ恥ずかしかったんだろうなぁ…前、女の子ばっかのチョコの店に行ったときも随分恥ずかしそうにしてたし)
 そこまで『恥ずかしい』思いをして買ってきてくれたあの誕生日プレゼントを思って、ガイズは頬を緩める。

「…こちらのお品で宜しいでしょうか?」
 そんなガイズの物思いは、店員の声によって遮られた。
 そして差し出された品に改めて目を落とし、『これ以外のプレゼントは無い』と確信する。
「はいv包んで貰えますか?」
「かしこまりました」
 楽しげなガイズの様子につられたように、店員も軽く笑いながらラッピング用リボンを振って見せる。
「お色は可愛らしく、ピンクにいたしますねv」
(ルスカに…ピンクのリボン…!)
 憮然とした表情が今から目に見えるようだ。ガイズは笑いすぎて涙を流しつつ、こくこくと頷いた。
 店員とて、よもやこのプレゼントを贈られる相手が『30過ぎの超売れっ子弁護士(男)』だとは夢にも思わないだろう。
「嬉しそうですね。…とても、大事な方なんでしょう」
 からかうように告げられても今度はガイズはうろたえる事無く、柔らかく微笑んで頷いた。


「…ええ、俺にとってすごく大事な人です」










 ガチャ、と家のドアを開けた時、まず最初にルスカを襲ったのはぽふ、という柔らかな衝撃だった。

「が…ガイズ?」
 ドアを開けた途端、何やら包みを顔に押し付けられて、ルスカはもごもごと恋人に呼びかける。
 それに応えるようにぱっと顔から包みが取り去られ、その向こう側にはルスカが愛してやまない、ガイズの満面の笑みがあった。
「ルスカ。誕生日、おめでとう!」
「…覚えてたのか」
 心底驚いたようなルスカの口調に、流石にガイズはむっとして頬を膨らませた。
「当たり前だろ!俺がルスカの誕生日、忘れるわけないじゃん!」
「ああ…だからエバは、『今日は早く帰れ』って言ったのか…」
「そーゆーこと。毎年、誕生日はエバと一緒に飲んでたんだろ?だけど今年は…どうしても俺に譲って欲しくて、エバに頼んだんだ。…でもやっぱり、エバと一緒のパーティーの方が良かったかな…ごめんな?」
 しょんぼりと肩を落としたままで謝られて、慌ててルスカはガイズの身体を抱き寄せた。
「どうしてそんなこと言うんだ、お前は…」
「…だって、エバが出所出来たから、一緒に誕生日祝うのも久々だったと思うし…何か俺の都合だけで勝手通したみたいで…」
「『ガイズの都合』…ね」
 殊勝な言い草にルスカは小さく笑う。
「尤もガイズが何も言わなくても、俺は何だかんだと理由をつけて結局エバの所から抜け出してたと思うが?」
「じゃあ…」
 ぱっと顔を上げるガイズの頬をふに、とルスカが摘む。
「どっちにしても結果は同じだから、何もお前が気にする必要は無いって事だ。ガイズの都合は、俺の希望」
「俺の事、甘やかしすぎだ、ルスカ…今日はルスカの誕生日なのに、俺がプレゼント貰ってどうするんだよ…」
 照れくさそうにぶつぶつ呟くガイズに、しゃあしゃあとルスカは言ってのける。

「俺も貰いはしたがな。『愛されてると言う実感』をv」
「バカッ!」

 真赤になったガイズはニ、と笑ったルスカの顔面に再び渾身の力でプレゼントの包みをぶつけた。









「…あーあ。折角綺麗なラッピングだったのに、ぐしゃぐしゃになっちまった…」
「主にお前の所為だろ?」
「そーだけどさ!」
 言いながら、ガイズは包みをぐいっとルスカに押し付けた。
「改めて。たんじょうびおめでとー」
 悪戯っぽいガイズの表情に苦笑しながら、ルスカはそれを受け取る。
「…ありがとう。…開けても、いいか?」
「うんv早く開けてくれよ。絶対ルスカ、喜ぶからv」
 きらきらと金目を輝かせるガイズの様子にどこか一抹の不安を感じつつ、ルスカは包装を開いていく。
 そしてピンクのリボンとオフホワイトの包装紙の中から現れたものに、目を見開いた。

「こ…これ…は…」

 包みから現れたもの。それは、大きなコリー犬のぬいぐるみだった。
 緩くウェーヴを描いた細い金の毛並み。
 賢そうな黒い目は、同時にやや丸みを帯びていて優しそうにも見える。
 顔も、その身体も正に本物の犬そのもののリアルな作りをしていた。
 ただ一点、その頭の上についている耳が何故か片方へたりと倒れてしまっているせいか、どこかくたびれた印象も受ける。
 だがそれが却って完璧な人形の姿に愛嬌を加え、より一層その姿を愛らしく見せていた。

「ガイズ…これは…」
「んー?ルスカ犬。どうだ、そっくりだろ?」
 ニコ、と笑うガイズに悪意は全く無い。
「そっくり…か…?」
 首を傾げてその顔をまじまじ見る。すると犬のほうも『そっくりかねぇ?』と首を傾げたように見えた。
「つまり…ガイズにはいつも俺が犬に見えてるってことだな?」
「何だよ。ルスカだって俺のこと猫猫っていっつも言うじゃん」
 仕舞いには誕生日にこんなのまで買ってきてさ。
 そう言うとガイズはソファの上から抱え上げたものを、ルスカの膝の上にすとんと落とした。

 金の目にふわふわの黒い毛並みの、子猫のぬいぐるみを。

「これはどう見てもガイズにそっくりだろう。100人居たら、100人が『ガイズにそっくりだ』って認めると思うぞ?」
「それを言ったら、このコリーのぬいぐるみだって、誰が見たって『ルスカそっくりー。』って言うって!」
「もしかして…前回のプレゼントの意趣返しのつもりで、コレを買ってきたのか?」
「そーじゃないよ」
 苦笑してガイズはコリーの頭を撫でてやる。次いで、自分に似てると称された黒猫の頭も。

「コイツを店で見たときさ…この猫を買ってきた時のルスカの気持ちがよく分かっちまったんだ。一回『似てる』なんて思ったら、もうそのまま店に残しておくなんて出来なくて…ルスカも、そうだったろ?」
 問われてルスカは膝の上の子猫を撫でつつ、半年前のことを思い出す。
 雨が降っていた日だった。
 たまたま目にした店の、ショーウィンドウの中にちょこんと座った大きな金目の子猫。
 ガラスを伝い落ちる水滴が一瞬猫の流した涙に見えて、どきりとしたのが足を止めた切っ掛けだった。
 閉じ込められて、黙って外をじっと見詰めている様が、あの時のガイズとだぶって。…置いていけなくなった。
 連れて行って、あげたくなった。

 黙り込んだルスカの表情だけで察したのだろう。ほらな、とガイズはルスカの頬を突付く。
「それなら、この犬は俺へのプレゼントというよりむしろ『ガイズの欲しかったもの』、だな」
 今度は仕返しのように意地悪くルスカは笑ってみせる。が、受けるガイズは余裕の表情だ。
「あ、そーゆーこと言うんだ。…なら言わせて貰うけど、この猫のぬいぐるみだって、今じゃもう殆ど『ルスカのもの』だろ?」
「う……」
 言い返せなくて、ルスカは言葉に詰まる。
「だーかーら、今回のこの犬は実質的に俺のものになりますv …って言う事でチャラv どう?」
「…仕方ないな」
 ルスカは珍しく彼をやり負かせて嬉しいのかご機嫌のガイズの髪を、苦笑しつつ乱暴にかき回してやった。

「それに、さ」
 ぽつ、とガイズは呟くと貸して、とルスカの膝から子猫を取り上げ、ソファの上にコリーのぬいぐるみとくっつけて並べる。
「この犬が居れば、こいつだって…淋しくないだろ?」
 ほら、嬉しそうだ、とガイズが言ったとおり、コリーの隣に寄りかかった子猫は心なしかいつもより尻尾もぴん、と立っているように見えるし、コリーの方も子猫の方へ鼻先を向けて、どこか幸せそうに見える。

「…本当だな」
 呟くとルスカは傍らのガイズの肩を抱き寄せた。意図せず、二人は傍らの二体のぬいぐるみとそっくりな形で寄り添う。
「ホントはな…」
「ん?何だ?」
「ホントは、もう一つコイツを買ってきた理由、あるんだ」
「…何だろうな。…教えてくれるか?」
 柔らかく問い掛けられて、一瞬恥らうようにガイズは目を伏せる。
「いつもなら絶対言わねぇけど…ルスカ、今日は誕生日だからな」
「ああ」
「…笑うなよ」
「笑わないさ」

 あいつを、とガイズは傍らの子猫を指差す。
「ルスカ、家に帰ってきたら、必ず一回はあいつを撫でに行くだろ。淋しかったんじゃないかって」
「…………」
「家にいるときも、よく膝の上に乗せてたりするだろ」
「…ああ」
「俺、ちょっとだけ思ったんだ。あの犬が居ればもうあいつだって淋しくないし。そしたら、ルスカだって前ほど頻繁にあいつに構わないだろうし…」
 そしたら、とガイズは言葉を一度切る。

「…そしたら、俺もあいつに…ルスカに可愛がってもらってるあいつに、もう一々ヤキモチ妬かないで済むかな…って思っ…ルスカ!笑うなって言っただろ!!」

 最後まで言葉を綴る前にルスカに吹き出され、真赤になったガイズはソファから立ち上がってルスカを怒鳴りつける。
「はは…っ!悪…っ」
 謝りながらも、ルスカは笑いを収めることが出来ない。
「そうか…お前…!あのぬいぐるみにヤキモチ妬いてたのか…!」
「分かってるよ!自分だってバカみたいだって!でも、ムッとしちまうもんはどうしようもねぇだろ!」
 …ルスカには分かんねぇよ…と拗ねたようなガイズの呟きを聞きとがめて、ルスカは漸く笑うのを止めた。
「…いや、分かるよ」
「…嘘だ」
「分かるさ。俺だっていつもお前に近づく奴ら皆に妬いているからな。それこそ、エバにも、ジョゼにも」
「疑ってんのかよ、ルスカ!」
「『皆』にって言ったろ?困った事に、この件に関してはどうも自制心が働かないらしい。お前が買い物に行くとおまけしてくれる、あの肉屋や八百屋の店員にも妬けるし」
「…どっちも奥さん居るだろ」
「お前にやたら懐いて、『ガイズお兄ちゃんのお嫁さんになるのーv』なんて言ってるあの裏の家の女の子にも」
「…まだ5歳かそこらの子供だろ」
「いつも『ちゃんと食べてるのか』とかお前の心配ばっかりしている、洗濯屋のおばちゃんにも」
「『おばちゃん』どころか『おばあちゃん』だろ!アレ、80近いぞ!」
「とにかく。そんな人たちにまで始終妬いてるんだ。『バカみたい』なのはお互い様さ。でもそれだけ…相手のことが好きだってことだろう?」
「ルスカ…」
「お前も同じように思っていたなんてな…嬉しかったよ、ガイズ」
 言葉とともにルスカはガイズの手を引いて再び傍らに座らせ、額に唇を落とす。
 そして頬と瞼を掠めた後、漸く唇が重なった。小さな水音が部屋に響く。
「ん…ぅ…ルス、カぁ…」
 口吻けだけで瞳を潤ませたガイズが、とさ、とソファに倒されて困ったようにルスカを見上げる。
「どうした…?」
「ここ…で?」
「此処では、嫌なのか?」
 尋ねればシャツの胸元にしがみつき、ガイズはこくりと頷く。
「寝室…に…」
「どうして?」
「だって…」
 ちら、とガイズがソファの上に目を走らせた。ソファの端では、先程仲良く並べられた二体のぬいぐるみがまん丸な目で此方を見ている。
「ああ…見られてるみたいだからか…?」
「恥ずか…しい」
 真赤になったガイズが可愛らしくて一瞬このまま此処で事を進めたくもなったが、それでもルスカは言われるままにガイズの身体を抱き上げて、寝室へと歩き出す。
「今日は俺の誕生日なんだけどな…我侭猫」
 それでもこの猫の我侭を聞くのが自分の無常の喜びなのだから、仕方ない。

 大人しくソファに座った二体におやすみ、と呟いて、ルスカは部屋の明かりを消した。








 そして、次の朝。

「…痛ぇ」
 もそ、とベッドから起き上がったガイズは、腰の鈍い痛みに顔を顰めた。
 気を失っている間に後始末はしていてくれたのか肌に当たるシーツの感触がさらさらで心地いいが、それでも散々酷使された腰の痛みは如何ともし難い。
 更に痛いと言えば昨夜ルスカに好き放題鳴かされた所為か、喉もひりひりと痛み酷く乾いていた。

「るすか…みず…」
 甘えるように呼びかけてみるが、ルスカは既に起きてしまっているようで返事が返らない。
「何だよもー…」
 くしゃくしゃ、と髪を掻き混ぜて、ガイズはそっとベッドから下り立った。

「ルスカ…?居ないのか…?」
 カチャ、と部屋の扉を開ける。その時、廊下の端にもさもさした金色のものがあることにガイズは気付いた。
「あれ…?」
 そっと近づいてみるとその正体は予想に違わず、昨夜ルスカに贈ったあのコリーのぬいぐるみだった。
 抱き上げてやると、一晩中廊下に居たのかひんやりと冷たい。
「ルスカの奴〜何てことすんだよ〜」
 可哀相に。寒かったろ?と慰めるようにすっかり冷たくなった鼻先にちゅ、とキスしてやる。
 そしてムッとした表情のままで、部屋のドアを開けた。
「ルスカ!酷いじゃないか!」
 …が、今度は予想に反して、部屋の中には誰もいなかった。

「…あれ?出かけてんのか?」
 うーん、と考え込んだものの、まあもう少ししたら帰ってくるだろうと楽天的に結論付けて、ガイズは取りあえずこのコリーをもう一度片割れの隣に並べてやろう、と昨夜二体を置いていたソファに向き直った。
「…………?」
 そして、違和感に気付く。
 子猫が居なかった…というわけではない。子猫は居た。昨夜と同じ格好で。ソファの上に。

 …ただ問題なのは、その子猫の隣にもう一体、一回り大きなクリーム色の猫のぬいぐるみがあることで。

「…………」
 どう見ても、ガイズはそのぬいぐるみには見覚えが無い。
 だが、どこかで見たような印象をもつぬいぐるみだった。
 絹のような細い毛がたなびき、ぺリドットの薄緑の目が高慢そうな光をもって此方を見返す。
 そして口元が右側だけ上がっているのが、どこか此方を嘲っているようにも見えた。

「…………」
 その猫は、黒猫子猫をしっかりと腕の中に捕まえた形で居る。
 捕えられてしまった子猫は、昨夜コリーの隣で見せた幸せそうな顔が嘘のように、怯えきって見えた。

「…………」
 その図には、どこか見覚えがある。

「…………」
 その猫の表情にも、何だか見覚えがある。

「…………」

 ガイズは、思わずその場に蹲った。
「…気のせいだ。…どー考えても気のせいだ…。大体奴が此処まで来るわけ無いし…!似てるように見えるのも偶然だろ…!そうだ、ルスカだ!ルスカがコイツ一人だと淋しいからって前もって買ってきてた奴なんだ、このぬいぐるみは…!そうだろう…?そうでなきゃ、説明つかねぇよ…!」
「ただいまー。ガイズ。何ぶつぶつ言ってるんだ?」
 平和そのもののルスカの声に、ガイズは天の救いを見たかのように駆けより、縋りついた。

「ルスカ…!あの猫…!」
「あれ?どうしたんだ、アレ。ガイズもう一体、買ってきてたのか?」
 笑顔でルスカは、縋りつくガイズの最後の希望をブチ壊す。
「ルスカ…じゃない…のか…?」

 へた、と床に座り込んだガイズは、ふと目をやった先に見てはいけないものを見てしまった。

 ガラス窓の一部が、綺麗な円形に切り抜かれている。
 …具体的に言うと『鍵の周り』が、そりゃもう綺麗に切り抜かれて居る。

「う……わあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 ガイズの喉から、悲鳴が迸った。
「ガ、ガイズ!?どうしたんだ!落ち着け!」
「奴が…!ヤツがぁぁっ!!」
「『ヤツ』!?一体何のことだ!ガイズ!」
「ヤツが…!ヤツが来る…っ!」
「ガイズ!?」

 窓を指差したガイズの手がぱた、と落ちる。
 …どうやら意識を…失ったようだった。







 そしてこの11月8日早朝の出来事をもって、ガイズはエバやジョゼの家を転々とし、どれほどルスカが宥めても暫く決して家に帰ろうとしなくなったのだが…それは又別の話。


 そして、ルスカ宅のぬいぐるみが、何度並べ直してもいつの間にかコリーと黒猫の間にクリーム色のシャム猫が割って入るように並べ替えられてしまう…という怪奇現象が暫く続いたが…


 それもまた、別の話。























END










鳥呼にしては珍しく主任が名前すら出ない話。
…でも何でルスガイ甘々が、最後『世にも奇妙な物語』に…












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