しゅにっき番外編 母ちゃんへの手紙
母ちゃんへ
メリークリスマス。プレゼント、今日届きました。
クリスマスに休暇とれなくてごめんなさい。主任が煩く言うもんだから…
でもその分、新年の休暇は優先して回してもらえるそうです。安心してください。
そうそう、プレゼントもありがとう。シルヴェスや皆に自慢してやったんだ。
シルヴェスは『暖かそうだな、良かったな』って言ってくれました。
主任は……まあ、主任だから…思い切り笑い飛ばされたけど余り気にしないことにしておきます。
やっぱり冬場に腹巻きは欠かせないですよね。流石母ちゃん、よく分かってます。
おかげでこの刑務所でも、あったかく年を越せそうです。
(シルヴェスが寒がったら貸してやるつもりだけど、主任は母ちゃんの手編み腹巻きを笑ったから、絶対に貸してやらない)
そうそう、刑務所の看守連で『クリスマスに何が欲しいか』って話もしてみました。
やっぱり『休暇』、『安らげる日々』何かがかなり人気でした。…でもこれってどこかで買える物じゃないし。実現は難しいでしょう。
あと全員一致で『普通の上司』ってのも。これは秘密だけど。
そんなこと話してるときに主任が帰ってきてしまって。
皆が必死に『ごまかせ!ジャーヴィー!』って俺に役目を押し付けるから…怖かったけど、ごまかしごまかし、主任にも話を振って見ました。
『主任は、クリスマスに欲しい物ってあるんですか?』
この言葉、今でも後悔してます。
…母ちゃん、どうして俺はこんなことを聞いてしまったんでしょう。
…あんな恐ろしい答えを聞くと分かっていたら、そんなことはしなかったのに…!
主任の答えは、こうでした。
『ガイズからの、愛』
……………。
……………。
…母ちゃん。
…ねぇ、母ちゃん。
こんな時、俺はどう答えたら良かったんだろう。
ねぇ、母ちゃん。
幾らサンタさんだって、最初から存在しない物をプレゼントするのは無理なんじゃないかなぁって。
…やんわりと伝えるにはどう言えば良かったんだと思う?
母ちゃん、殴られた頬にはクリスマスケーキですら沁みて痛いです…。
ジャーヴィー
*****
補足
ジャーヴィーへ。
さっき主任の部屋を見に行ったら、赤と白のシマシマの人一人入れそうなくらいデッカイ靴下が下がってた。
…どうやら、我々は逃げるわけにはいかないみたいだ…
シルヴェス
|
|