ティーフォートゥーからちょっと続いてますよ 女体化ですけどOK? ↓ ↓ ↓ あなたは まさに大輪の薔薇 マドモアゼル・ローズバド 確かに。 確かに自分は小柄だ。お世辞にも贔屓目にもどう見ても、決して体格の良い方ではない。 それは認めよう。不本意だが。 うんうん、とガイズは一人ゆっくりと頷く。まだ少々身体に痺れが残っているが、その辺りは気にしない。 しかし頷いた拍子に、ずるりと襟ぐりの伸びきったシャツが肩から落ちたのには閉口した。忌々しげに、シャツの襟を掴んで引き上げなおす。 確かに。確かに確かに確かに兄のお下がりのこのシャツは今の自分の身体にはでかい。だけど。 ちょっと頷いたくらいで肩からずり落ちてしまうくらいに大きくはなかった…はずだ。 既にズキズキと痛みを訴えだす頭を抑えて、ガイズは恐る恐る視線を下に落とした。 下と言うか――正確には、己の胸辺りに。 その、視線の先に。 谷が。 『谷』と呼ぶにはあまりにささやかでどちらかというと『溝』と呼んだほうがいいかもしれないが兎も角そんなようなものが。 つい10分ほど前まで確かにまっ平らだったはずの己の胸に存在している。 それはガイズの胸板の中心が突然地殻変動を起こし陥没した、というわけではなく。どちらかというと地殻変動の結果地盤が2箇所ほどやや隆起したらしく。 まあ何が言いたいかと言うと。 胸が。 慎ましやかでささやかではっきり言って『貧乳』レベルではあるが、それでも確かに『女の子』の胸が。 何故か自分の胸にいらっしゃるのは何故なんでしょう。ねぇ? 「なん……っだよコレぇぇぇぇぇぇぇぇっっ!!」 以前より一層カン高い声で奏でられた悲鳴。それをBGMに、床に懐いていた金髪の男は震える腕を掲げてガッツポーズをした。 「何だよコレ、何だよコレ、何だよコレぇぇぇぇぇっ!!」 床にべちゃりと倒れ伏したまま、『良くやった、俺!グッジョブ、俺!俺サイコー!』と矢鱈良い笑顔で拳を握り締めているデューラを、ガイズは半泣きでガクガク揺さぶる。 「何だよコレ!嘘、お、女!?俺、オンナ!?ああぁ何か気付いたらいつのまにか『下』もねぇし!って言うか胸より何より先にこっちに気付かなかった俺も俺な訳だがそれは置いといて!薬か!?さっきの薬なのか!?人間の性別変えるなんてどんなデタラメな薬だよ!っつーか同人のお約束だが皆何処で手に入れて来るんだよ、そんなもん!ってか何だよお前のその無駄にイイ笑顔は!?口端に輝くキラリと白い歯は!?ああもう色々ツッコミ所多いがその笑顔が一番気になるわ!」 「作戦…成功…☆」 「成功☆ぢゃねぇよ」 びし。と少女ガイズは、以前よりまた更に細くなった手でデューラの脳天にチョップを落とす。結構力を入れたつもりだったが、筋力まで一緒に落ちてしまったのだろうか。ちっとも効いてないようだ。だって痛がるどころか何か嬉しそうな顔してるくらいだし。 「どぉ…すんだよ…?」 「どう、とは?」 地を這うような声で問い詰める少女を、からかい交じりの目線で見上げながらデューラは問い返す。 「こ…こんなナリでずっと居られるわけないだろ!いつ元に戻るんだよ!……って、戻るんだよな?(弱気)」 「さぁ♪」 「『さぁ』ぢゃね――――っ!!」 びしびしばしばしとチョップを食らわすが、デューラはただ『痛いぞ』と大して痛そうでない表情で頭を押さえて笑うばかりだ。 「そんなに困ることも無いだろう。胸もそれほど無いことだし。はっきり言って全体的に少々縮んだ以外は前と然程変わってないぞ、お前」 「そーかそーかむしろ『激変しちまいましたね』とか言われたほうが嬉しかったぜ…男としては…」 デューラのフォローになってないフォローに、ふふ、と暗くガイズは笑う。畜生悪かったな、女顔で。 「…って外見は勿論だけどそーじゃなくて!俺が問題にしたいのは『女』って性別それ自体のことだよ!」 元々零れんばかりに大きかった金目は以前よりやや丸みを帯びて、キッと睨みつけても可愛らしさばかりが先立ってしまうのが悔しい。 「こんな…こんな身体でこんな場所に居て!好き放題ヤられでもしたらどうしてくれる気だ!」 「今だって好き放題ヤられてるだろう。俺を筆頭にバラエティ溢れる様々な男どもに」 「全くだがそもそもの筆頭のお前がそれを言うな」 忌々しげにデューラを見下ろし、ガイズは顔を歪める。そして己のか細くなった両手(元から細かったが)を目の前に掲げ、青褪めた顔でワナワナ震えだした。 「男ばかりの刑務所で…男と偽り収容された女囚人!たった一人で冤罪への道を模索する彼女に、女に飢えた囚人どもや所構わずサカる看守主任、ロリコン眼鏡の魔の手が迫る…!」 「エロ本か男性向け18禁ゲームも真っ青な設定だな」 「だからお前がそれを言うなと…!」 キィィっと吼えるガイズは、だがぶっちゃけ普段の己自身こそ、刑務所に出回っているどのエロ本のヒロインも裸足で逃げ出すほどの目に遭っていることにどうも気付いていないようだ。 ゲームにするなら、女性向け18禁ゲーム。タイトルは『冤罪』。パッケージの注意書きは『このゲームには犯罪に当たる行為が表現されています。犯罪になる恐れがありますので(恐れじゃなくてホントに犯罪だよ)、絶対に真似しないで下さい』といったところか。 「…ギルディアス辺りなら発売日に店頭に並びそうだな」 「お前もそうだろ」 「当然。しかも狙うは特典つき初回限定版だ」 「自慢にならんことを自慢げに語るな」 またびしりとチョップを脳天に一つ。食らわせてガイズは天を仰ぐとため息をつく。 「それはさておき…さぁ…」 「何だ」 「女の身体だとアレだろ…その…男の時と違って、ヤられたら…妊娠…しちまうかもしれねぇじゃねぇか…」 流石に恥ずかしいのか、ガイズは真っ赤な顔で服の裾を握り締めながらぽそぽそと呟く。 「むしろ狙いはそこだ」 「は?」 意味不明のデューラの台詞に、首を傾げる。 と―― 「既成事実があれば、親父もあの眼鏡も認めざるを得まい」 「え……っ!?」 がば、と突然床から身を起こした男の姿を、信じられないような面持ちでガイズは見詰める。 それ故に――逃げるのが、一拍遅れた。 「な……っお前!薬は!?動けなかったんじゃ…!」 「そんなもん話の途中で切れた。残念だったな?」 ふふ、と抱き寄せたガイズの首筋に顔を埋め、デューラはニヤリと笑う。 「それより…既成事実って…おいおいテメェまさか…!」 「大丈夫大丈夫。男としてきっちり責任は取ってやるから。なあ?」 「不安極まりないわ。どこら辺が大丈夫なのか言って見やがれコラ」 「ガイズ……」 妙に真率な表情で、デューラは視線を真っ直ぐガイズに合わせる。 「俺とお前とガキと3人。幸せな家庭を築こうじゃねぇか」 「…今から強姦しようとしてる奴にそんな真っ直ぐな眼差しで誠意溢れる言葉を言われても」 「…安心しろ。眼鏡の事は親父が何とかするし、親父の事ならお袋がなんとかする(他力本願)。というかそもそもコレの発案者、ウチのお袋だし」 既に俺の嫁の為に、郊外に屋敷も用意されてるしー…準備万端、と嘯くデューラに、ガイズは血の気が全身から引くのを感じる。 「…と言うことは薬の出所もそこか!?何でもアリだなお前の母親!!」 「発案は何処であれ、ガイズ…幸せになろう」 「やだ!!」 「そこで即答するか。…ふ、幸せに臆病なヤツめ」 「ホントにお前…自分の都合のいいように物事を解釈する能力は天下一品だよな…」 遠い目で意識を飛ばした矢先、ぐっと己を掻き抱く腕に力が篭るのを感じてガイズはぎょっとデューラの腕の中、身を強張らせる。 「本気か…?本気かお前……!?」 「この身体は……初めて、何だよな…?」 「だからどうした。『優しくしてやるv』とでも言う気か。今更言われても困るわ。…というか待て待て!ちょっと待て!落ち着けーっ!!」 絶体絶命。の状態で両手を突っ張り、少女は必死に抵抗する。その時。ふ、と。 圧し掛かってくる身体がやや軽くなった。 瞠目するガイズの目の前で、相手の肩幅がみるみる細くなる。腕は華奢に、ただでさえ長い睫は、一層長く頬に影を落として。 「……………」 「……って……」 紅も塗っていないのに赤い唇。そこから零れ落ちた声は、酷く色気のあるアルトヴォイス。 そう、それは目の前の『絶世の美女』に正に相応しく――? 「お…女――!?まさか…何で俺まで…!?ってまさか……さっきの薬…!」 先ほどまでの余裕が嘘のようにあわあわとうろたえるデューラに、今度はガイズがぐっと拳を握り締める。 「あぁ……間一髪!本当にコイツに薬使ってて良かった…!!ありがとう…!ありがとうヴァルイーダ…!俺の心の友よ…!」 「…ってお前の薬の出所はそこか!?刑務所の中にいる癖しやがって、アレもウチのお袋と張るくらい何でもアリの奴だな本当に!!」 艶やかな『美女』の姿のままにデューラは喚きたてる。その胸のボリュームが少女ガイズと段違いなのは、年齢差の故か元々の素質か。はたまた『大サービスして規定量の3倍』盛られた薬のためか。 ともあれ随分と華奢にしなやかになってしまった身体に。そして何より己の『最終兵器』の不在に――デューラはがっくりと肩を落とした。 「この身体では孕ませるのも無理、か……くそっ!!」 折角のチャンスが…!ガイズを手に入れる(既成事実を作る)為のこれ以上無いほどの好機が…!とうな垂れるデューラに、ガイズの目は冷たい。当然だが。 「そーだよ、残念だったな。…だから大人しく解毒剤か何か探しに行こうぜ。…お互い」 「だが」 「……へ?」 くるりと視界が回転する。とさ、と背中が床についた。両肩がきつく押さえつけられている。馬乗りに上に圧し掛かる、絶世の美女。男としては望むところ!のシチュエーションだが如何せん中身は『アレ』で。ついでに彼女の瞳にギラつく光は――あからさまに『欲望』、のそれで。 「おい…デューラ…?」 「…………」 ガイズを押し倒した姿勢のままで、暫しむー、と思案していたデューラは、やがてうむ、と重々しく頷いた。 「まあ…たまにはいいか。こういうのも」 「…や。……いやいや。………いやいやいや!!良くない良くない!ってか何でそんなに順応性高いんだお前――っ!!」 「女性向け18禁が男性向け18禁(百合)に変わっただけだ。やることは普段とさして変わらん」 「そりゃそうだけど(哀しい)でもやだー!何かやだー!視覚的にもダメージ大きくて何かやだー!!」 ガイズ1X歳。童貞で無いとは言え、まだまだ女性に夢を見ていたいお年頃だ。 「視覚的にダメージが大きいとは失礼な…こんな美女に向かって」 「だから順応性高過ぎなんだよお前は!ちょっとは戸惑えよ!困惑しろよ頼むか…――っ!」 喚こうとした矢先にシャツの隙間から滑り込んだ手に。ほんの僅か、胸の尖端を掠めた指先に。ガイズの身体がびくりと跳ねる。 「…ほう…女の身体だと矢張り…反応も多少は違うものか」 「〜〜〜〜っ!!」 白い頬が、火を噴きそうなくらい真っ赤に染まる。微かに浮かんだ涙は哀しみではなく羞恥の故で。 「お…覚えてろよ、テメェ!薬の効き目のタイミング的に、俺の方が絶対先に男に戻るんだから…!そしたら…そしたら…!」 「そしたら、どうする気だ?男の身体で、女の俺を犯しでもする気か? 「…………」 「…………」 想像した瞬間、思わず『うわ、きっつー…』という思いが二人の脳裏を同時に過ぎる。 「…まぁお前は」 伸ばされた白い指。ひんやりとしたそれが、柔らかな頬のラインをゆっくりと辿る。 「ずっと俺の下で可愛く啼いてろって事だ」 ( 男でも 女でも な ) すいっと吊り上った赤い唇が、掠めるようにガイズのそれを奪う。 目の前の大輪の薔薇を思わせる美女の微笑に、少女は諦めたように瞳を閉じた。 END |
ということで、真の大輪の薔薇は主任(女)でございました。 一応のポリシーとして、受けが女体化なら攻めも女体化。 平等をモットーとしております(いいよもう不平等で)。 …ついでに、受けっ子よりも攻め子の方が美人でかつ女体・女装が似合うという妙な主張が。 カリスマ(咎狗)あたりもいい例ですね!アレも似合うと思うんだ!無駄に! |
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